子育ては、免罪符なのか。
芳麗 西川さんの家族観についても伺いたいなと。今も、お一人ですか?
西川 はい。
芳麗 『蛇イチゴ』も家族がテーマでしたが、『永い言い訳』でも、「家族」について描かれています。子供や家族を持つ人、夫婦ではあるが家族にはなりきれない人、いろんな立場の視点や思いが描かれていますよね。
拝見していて、「新しくて自由な家族の形があっていい」という監督の思いも現れているように感じられました。
西川 実際にそう思っています。結婚する・しないも、子供を持つ持たないも、「こうあるべき」という型にはめると苦しくなりますよね。だから、この映画では、私の1つの理想を描いていたのかなと。
大宮一家のように家族を持つものと、幸夫のように1人でいるものが棲み分けられず、ほどよい距離感で関わり合えるのが理想です。自分の子供にこだわらず、他人の子供でも可愛がれるような社会だといいなと思うんです。
芳麗 そういえば、西川さん! 以前、「自分に時間と金銭に余裕があるなら、里子が欲しい」とおっしゃっていましたよね。劇中の幸夫と同じように、「自分の遺伝子が残るなんて恐ろしいから、子供はさほど欲しくない」とも(笑)。
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