クリエイターは私生活が最悪なほうがいい?
鷺森アグリ(以下、鷺森) 今日の事前の打ち合わせで石川さんに「切なさ」についてお聞きしたじゃないですか。それにはわけがあったんです。
石川善樹(以下、石川) はい。なんでしょう?
鷺森 私、自分の感情が切なくならないと、モノを作れないんです。切ないときにしか、自分が本当に美しいと思う作品を作れないから。
石川 あ〜、つまり切なさが自分のクリエイティブの源になっているんですね。
鷺森 そうなんですよ。だからちょっと私生活が不幸なほうが良いものを作れたりもするんです。だけどもっと上手く感情の入れ替えをできるようになって、楽しく幸せな時間も増やしたいと思っていて……。
石川 でも、それなら私生活は最悪なほうがいいじゃないですか!
鷺森 そうかもしれませんけど、でも……(笑)。
紫原明子(以下、紫原) なんで、石川さんはそれをうれしそうに言うんですか(笑)。
石川 だって人ってネガティブ感情を持っているときのほうが、何かを突き詰める力が爆発的に発揮されるんですよ。だからクリエイターにとってネガティブ感情を持つことは良いことでもあるんです。例えばアインシュタインだって、一般相対性理論を考えた時は奥さんとの離婚訴訟中ですからね。
紫原 そんなネガティブなときに自分のベストパフォーマンスが出るんですか。
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