頭が良い人よりもバカの方が成功しやすい
うだつが上がらないサラリーマンは、バカが突き抜け切れていない。それどころか、変なところで小利口だ。会社にしがみつくため、上司に媚びを売り、面倒くさい社内政治には積極的に取り組む。
そこそこ大きな会社に勤めているサラリーマンは、傾向的にみんな頭が良い。一応は名前の通った大学を卒業するぐらいの地頭でないと、正社員になるのは難しいので、当然と言えば当然かもしれない。
不遇な中年サラリーマンが会社を辞める際、それでも会社にしがみつこうとする同僚に、その理由を説くシーン。男は以前、「何者かになるために会社に入ったのに、何者になりたいか分かっていなかった」と吐露していた。(『闇金ウシジマくん』中年会社員くん編は29巻)
しかし、バカであることがアドバンテージとなる場面も多々ある。私の知る限り、成功している自営業の社長は、ある意味、バカばかりだ。
けなしているわけではない。バカだから平気でリスクを取れる。バカだから失敗が怖くない。失敗しても、ダメージを受けない。いい意味で鈍感。だから何度でもチャレンジを仕掛けられる。結果的に成功する率は高まるという論法だ。
バカは最強なのだ。
儲かっている経営者はほとんど、才能や知識で成功しているわけではない。単純に三振を恐れず、自ら打席に立ちにいく回数が多い。周りの空気や意見なんか気にせず、とにかくバットを振りにいく図々しさが、高い打率を引き寄せている。
これに対して、社畜サラリーマンは、会社というベンチに自分の意思で座り続け、打席に立たない臆病者だ。
ベンチにいながら、チームのなかで評価される方法はあるけれど、上司の機嫌をとったり同僚の足を引っぱったり、そういう小手先の知恵しか働かない。結果的に、人としての根本的な不安は解消しないのだ。
バカで困ることは、もちろんある。でも小利口に頭を使っていろんなものから逃げ回っている人の不安を打ち消すには、バカになるのが手っ取り早い。
以前、あるクイズ番組に出演したときのことだ。タレントブロック、作家ブロックと回答者をカテゴリーで分けて対戦。最終的に総合優勝者を決める方式だった。
私は「社長」ブロックに入っていた。周りはメディアによく出る有名な社長ばかりだったが、ざっと面子を見渡して、楽勝だなと思った。元アイドルやホテル経営でCMにも出ている有名な女性社長とか。クイズ対決では負ける気がしなかった。実際に社長ブロックでは、私が1位だった。二人とも常識問題などで頓珍漢な答えを連発していた。
しかし、経営に関しては、元アイドルも女性社長も成功している。リスクを恐れず、大胆にビジネスの手を打つから、上手に稼いでいる。
サラリーマンは他人との比較が目につきやすい
私は自分のことを特別、賢いとは思っていない。バカな部分も、けっこうある。だが、くだらないプライドや保身の果てに、ビジネスや経営を失敗させるタイプのバカではない。
本当に大事なもののために、他のことを遠慮なく捨てて、自分の意思で自由に生きていくスタイルは、バカと言えばバカなのだろう。
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