ホリエモンを目標にしているヤツらの間違い
私は長年、フリーエージェント(組織に属さず働く人)風の人たちに、教祖のように崇め立てられている。
高級スーツを着た若手起業家を名乗る若者が、堀江さんの本を全部読んでます! とか、堀江さんを目標にしてます! と、しょっちゅう寄ってくる。
カネを借りる目的や使う目的がどうであれ、自分の人生を賭けて、自らの意志で勝負した若者をウシジマはねぎらった。ラクして稼げるビジネスほどつまらないものはない。カネの本質を学び、リスクを取って自分の意志で、外の世界へ飛び出そう。(『闇金ウシジマくん』フリーエージェントくん編は30巻、31巻、32巻)
もし私の本をきちんと読んでくれているのなら、もっと他のビジネスに目が向くのではないかと思うのだが、たぶん私が唱えた商売の4原則
[1.利益率の高いビジネス 2.在庫をできるだけ持たない 3.毎月の定額の収入が得られる 4・少ない資本で始められる]
に気を取られ、この4つすべてに当てはまる情報商材ビジネスや、セミナービジネスを手がけるようになったのだろう。
彼らは、カネ儲けを最優先の目的にしている傾向が強い。
高層マンションに暮らす、セレブのパーティに呼ばれる、高級シャンパンを浴びるように飲む、ブランド品に囲まれる……など、かつてのヒルズ族が体現した、カネ持ちのライフスタイルを夢見ている。
ホリエモンは、そういう生活を実現させた成功者というイメージが、いまだに残っているようだ。だからフリーエージェント風の人たちに、変に尊敬されている。
別に目指すのは構わないが、カネ持ちの外見の部分というか、イメージだけを追いかけているのは困りものだ。先の4原則も、ビジネスの本質をふまえた上でなければ成功はしない。側(がわ)の部分に目がくらんで、本質が見えていない若者は多い。
いくら堀江さんみたいになりたい! と頑張ったとしても、私のようになるのは無理だ。
ネオヒルズ族として、世間の注目を浴びた与沢翼は、その代表格だった。
彼には、まったく興味が持てなかった。転落劇もネットニュースなどで報じられている以外のことは何も知らない。一方的に尊敬されているらしいのは伝わっていたが、一部で「与沢さんは堀江さんの後継者ですね」と言われたのは、不愉快だった。
ぜんぜん正しく理解されてない……と。
与沢のやっていたビジネスの先に、私はいない。
やりたいことが根本的に違う。
私はカネ儲けを目的に仕事をしたことは一度もない。
救いようがない5%のアホたち
もちろんビジネスとして成立させるため、儲ける努力はした。でも、いわゆるヒルズ族の暮らしが夢だったわけではない。仕事で求めているのは、高級タワーマンションに暮らすとか、服飾品を贅沢に揃える生活ではなかった。もし本当に贅沢を求めるなら、その程度の目標で留まることもなかっただろう。
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