周囲の期待は、「想像の範囲内」
限界の檻をつくる要素のひとつが、周囲の期待です。
世の中の人の期待は、たいてい世の中の「想像の範囲」内にあります。ということは、期待に応えようとすると、想像の範囲の中でしか活躍できません。周囲の期待に応えることは、言い換えると、社会の檻の中で最大限、頑張ることと同義ではないでしょうか。かけられた期待以上の結果は出せない。そんな気がします。
僕も現役時代は、周囲の期待に違和感を覚えたことがありました。
銅メダルを獲ると、次は金メダルを期待されます。背負う期待が大きくなれば、それだけ、自分の成績や振る舞いにがっかりする人が増えることになります。期待の度合いが大きくなるほど、失望の度合いも大きくなるわけです。
期待に応えられなかったときは、期待はずれとなじられることもあって、僕も若いときは、周囲の反応に傷ついたことがありました。
けれど次第に「僕は僕でしかない。まわりの期待に応える義務はない。周囲が勝手に期待しているだけだ」と割り切って考えられるようになって、平常心で受け止められるようになりました。
まわりの期待に応えるのをやめ、走ることをただ楽しむことにしたのです。
親の期待が苦しい理由
他人の期待を満たすだけの生き方は、他人の人生を生きることと同義です。