ここは東京西新宿。医療器具メーカー「ドブ板メディカル株式会社」では、3年目営業の出来内陽太(デキナイヨウタ)が、残業を終え、
陽太「今日も疲れた~」
とヘロヘロと帰り支度をしていました。もう時間も遅く、オフィスには誰もいません。
帰って何しようかなぁと考えていたところ、陽太は部屋の隅にある書庫のドアが開いているのに気がつきました。
陽太「あれ? 変だな」
書庫にはめったに人が入りません。そんなところのドアが開いてるなんて……と陽太が不思議に思って中をのぞいてみると、
河合さん「あっ」
そこには提携先からの出向者、河合さんの姿がありました。
陽太「あ、か、河合さん」
陽太はドキリとしました。
陽太はこのクールビューティーな河合さんにちょびっとフォーリンラブだったのですが、先日河合さんに彼氏がいることが判明し、勝手に一人で気まずくなって、最近は距離を置いていました。
陽太「ど、ど、どうしたの? 河合さん、こんなところで何してるの?」
できるだけクールによそおうとした陽太でしたが、その姿はあからさまに挙動不審でした。
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