家族にも読まれてしまった……
——『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』では、永田さんが「さびしさ」をかかえた大きな原因として、ご家族との関係にふれています。書籍の内容はご家族も読まれたんでしょうか?
永田 家族や親戚にも読まれてしまいはしたのですが……「レズ」「風俗」部分にショックを受けて、あまり他の部分が頭に入ってこなかったのかな……というような感想でした。母からは「性病には気をつけろ」というメールがきた。
——たしかに性病は注意した方がいいものではありますが……。
永田 うーん、私の「さびしさ」についてできるだけわかりやすく、詳しく描きはしたのですが、それは日頃彼らが「そんなこと言って怠けてないで働け」と一蹴していることにすぎないので、読んだけどなんとも思わなかったのかも……。
「永田」というのはペンネームなのですが、母親が「娘が描いたってばれたら恥ずかしい」と言っていたり、どうやら祖父母にはまだ隠されてるようだったり、腫れ物扱いは受けていますね。
——永田さん自身は、今後ご家族とどうかかわっていくつもりでしょうか?
永田 一人暮らしも始めましたし、できるだけ実家の両親や祖父母に何も求めずに生きていきたいです、金銭的な援助はもちろん、精神的な甘えとか……。
永田さんの一人暮らしのお部屋
——マンガのなかでは、「成人してからもお母さんに子供のようにひっついてしまっている」という描写がありましたが、この頃はどうですか?
永田 案外平気ですね! 母親が目の前にいるとつい「触っても許される肉体」として見て触ってしまっていたんですが、接触していても不思議なくらい心が満たされなかったので……。レズ風俗体験でも実感しましたが、やはり単なる人肌ではだめで、信頼関係が必要なんですよね。
——それに気づいたというのは大きな一歩ですよね。家族関係で悩んでいる方に何か伝えたいことはありますか?
永田 状況は多種多様だし、無責任なことは言えないのですが……親の言うことを聞いて損害を被ったとしても、親は責任をとれません。よく考えてから聞くようにするか、聞かないようにしたほうがいいですよ……かな。
それと、自分の母親と、自分の求めている理想の母親とは別モノなので、自分が求めてるものが何なのかきちんと考えてみては……とも思います。
レズ風俗には3回行った
——永田さんは単行本おまけ編で、もう一度レズ風俗を利用しています。これは取材のためだったんでしょうか? それともまた人恋しくなって?
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