𠮟ってはいけない、ほめてもいけない
青年 アドラーは賞罰を禁じる。𠮟ってはいけない、ほめてもいけない、と断じる。なぜそんな無茶を主張するのか? はたしてアドラーは、理想と現実とのあいだにどれくらいのギャップがあるか知っていたのか? わたしが知りたいのはそこです。
哲人 なるほど。確認ですが、あなたは𠮟ることもほめることも必要だと考えるのですね?
青年 当然です。たとえそれで生徒たちから嫌われることになったとしても、𠮟らなければならない。間違ったことは正さなきゃならない。そう、まずは「𠮟ること」の是非についてお伺いしましょう。
哲人 わかりました。なぜ人を𠮟ってはいけないのか? これはケースごとに分けて考える必要があるでしょう。まず、子どもがなにかよくないことをした。危険なこと、他者に危害を加えるようなこと、あるいは犯罪に近いようなことをしてしまった。いったいなぜ、そんなことをしたのか? このとき、ひとつ考えられるのは「それがよくないことだと知らなかった」という可能性です。
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