がんにかかった途端、何人もの知人からさまざまな健康食品を勧められた。そんな経験をした人も多いのではないだろうか。
がんのみならず、アトピー性皮膚炎やぜんそく、関節炎に至るまで、現代医学では完治が難しい病気は山ほどある。そんなとき、「免疫力を高める」「自然治癒力アップ」などのキャッチフレーズに引かれ、健康食品を飲み始めるケースは少なくない。
健康食品なら、病院で処方される医薬品と飲み合わせても大丈夫。そう考えるのは早計で、実は薬の作用を弱めたり、副作用を起こりやすくしてしまう健康食品はたくさんある。
表1‐3を見ていただきたい。薬と健康食品の好ましくない飲み合わせの例を挙げている。
例えばセントジョンズワート(西洋オトギリソウ)。欧州では古くからうつ症状に効果があるとされてきたハーブだ。実際、軽いうつ症状には効果が認められるとする研究結果もある。ところが、その作用の強さは、ほかの薬の効果にも影響してしまうのだ。
表にあるように、数多くの薬に対して、薬効を弱めるなど悪く作用してしまう。飲み合わせには細心の注意が必要な健康食品だ。