【Column 1】
健康食品は食事の一部!
サプリ先進国・米国事情
特に何の病気もしていないのに、食事の最後には手のひらに山盛りのサプリメントを平らげる。サプリ先進国・米国に行って、こんな光景に驚く日本人は少なくない。ドラッグストアのみならず、スーパーマーケットでも、自然由来のハーブやビタミン・ミネラル類が所狭しと並べられている。
値段はピンキリ。1カ月分1ドル50セントという激安サプリから、30ドル、60ドルするものまでさまざまだ。市場規模はおよそ10兆円とも言われている。
米国のサプリ事情に詳しい日本ニュートリション協会の一楽智也理事長は、「ホットドッグやピザといったジャンクフードばかり食べるなど、食事事情がよくないことに加え、健康保険に加入できない人も多く、病院に行くと大金がかかる。そのため、病気にならない努力が浸透している」と話す。
食事事情の悪さと高額医療費のため、米国人の多くはサプリを欠かさない。知識も熱心に取り入れる。Photo:アフロ
関節痛のため、ダイエットのためなど、不調解消目的で健康食品を摂取することの多い日本人とは違い、食事だけでは不足する栄養素を補充し、健康を保つ、という考え方なのだ。子供の頃から、栄養素やハーブに対する知識を親などから聞かされて育つため、「風邪をひいたらハーブを買い、薬のように飲む人も多い」(一楽理事長)。
知識の乏しい日本人はハーブを長期間だらだら飲んでしまうが、ハーブの中にはかなりシャープな効き目を持つものもある。正しい知識を基に、服用期間をきちんと区切る飲み方は、日本人も見習うべきだろう。
ここ数年ブームとなっているのは、ピザや牛乳、アイスクリームなどにビタミンやミネラルが入った機能性食品。横ばいとなっているサプリ市場に代わる成長市場となりそうだ。