マインドフルネスがジョコビッチを変えた
瞑想やマインドフルネスを積極的に導入しているもうひとつの分野がスポーツです。
サッカー日本代表の岡田武史元監督も、さまざまなメンタルトレーニングを試行錯誤した結果、最後には瞑想にたどり着いたといいます。
現在、男子テニスの世界ランキング1位の座についているノバク・ジョコビッチ選手は、負の気分を取り除くために、マインドフルネスを毎日15分おこなっていますが、これは彼にとって「肉体的トレーニングと同じくらい重要なものだ」と語っています(『ジョコビッチの生まれ変わる食事』)。
ここまで読まれた方は、瞑想がスポーツ選手にとって大きな効果をもたらすことはおわかりでしょう。 スポーツ選手は、現在の一瞬一瞬に対して集中することが強く求められます。しかし、試合の最中には、さまざまな思考や感情が押し寄せてくるはずです。
「まずいプレーをしてしまった」
「あのときこうすればよかった」
試合では絶えずこうした負の気分に襲われます。しかし、その気分をずっと引きずったままでは、プレーの内容が悪くなる一方です。負の感情が起こっても、それに振り回されるのではなく、事実としてそのまま認め、感情に判断を加えずに受け流さなければ勝ち続けることはできません。さきほど紹介した観察瞑想は、まさにこうしたメンタルをつくるのにうってつけなのです。
弱い刺激を受け取る力
わたしは、脳を鍛えることを説明するときに、味覚のたとえをよく使います。