アジアの驚異的な経済発展が止まらない
初めて海外に出てから約20年、各国を旅しながら、僕は世界が変わっていく様子を、目の当たりにしてきた。おそらく世界史のレベルで俯瞰しても、かつてないほど変化に富み、また技術革新のスピードの速い20年だったと思う。
大きな流れとしては、アメリカ・ヨーロッパのゆるやかな衰退と、アジアの驚異的な経済発展だ。中国を筆頭にシンガポール、タイ、韓国、ベトナム、インドネシア……アジア各国に、とてつもないレベルの富豪が増えた。
かつては日本の億万長者たちが幅を利かせていたビジネスの各分野で、アジア諸国の金持ちが、目が飛び出るような額の投資を注ぎこんでいる。チャイナマネーを筆頭にしたアジアの経済力は、完全に欧米に並んだ。というか追い抜きかけている。世界の主要な経済圏は、そう遠くないうちに、欧米からアジアへ移行するだろう。
アジアが発展することは、2000年ぐらいから予測していたので、個人的にはそれほど驚きはない。しかし実際に勢いがつきまくっている様子を現地で目にすると、さすがに圧倒されるものを感じる。
日本……人口:1 億2706 万人(世界10 位)、GDP:4 兆6023 億ドル(世界3 位)、一人当たりGDP:3 万6221ドル(世界27 位)
映画産業の主な市場は、ほぼ中国になりつつある。ハリウッドの新作映画の予算の多くを占めるのは、いまやチャイナマネーだ。
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