A.超ダメ男・田中が夢子に選ばれたのは、夢子の命の恩人だから……そして夢子に宿る鹿児島魂のせい!
田中は前回紹介したように、仕事は超いい加減でミスばかり、金遣いがかなり荒く、夜遊びやパチンコで給料を使い果たし、同僚たちに借金を繰り返しているという超ダメ男。
○26巻 cook.261 P156~157 ある時期の田中の通常運転©うえやまとち/講談社
このほかにもちょっと度を超した大食い、軽めのセクハラ、後輩に対するアルハラなど、数々の問題点のある田中だけれども、なぜか営業2課きっての有能な美女、木村夢子と結婚するのである。
世の中間違ってる!
そもそも木村夢子は、長年荒岩に恋していたはず。人格・仕事の能力がめちゃくちゃ優れている荒岩と、私生活はめちゃくちゃ、仕事の面でもポンコツの田中とはタイプとして真逆。それなのになぜ田中は夢子を射止めることができたのだろう。夢子は田中の仕事のミスで迷惑をかけられたり、しょっちゅう金を貸したりしているのに……。
もちろん、田中とて悪いところばかりではない。同僚のミスをかばったり、落ち込んでいる後輩を元気づけたり、なかなか優しさのある、気のいい奴ではある。でも、それだけで高嶺の花である夢子が田中を好きになるだろうか。
○59巻 cook.583 P143 後輩を励ましたり、いいところもある田中©うえやまとち/講談社
田中が打ち上げた特大ホームラン
しかし田中はあるとき、超特大ホームランを打ち上げるのである。
夢子が風邪で早退したときに、田中は夢子がデスクにマフラーを忘れているのを見つけて夢子のアパートに届けようとする。そこで夢子の部屋の窓に炎が揺らめいたのを見て、ドアを蹴破って夢子をボヤから救出するのである。
やだ、田中なのになんだかカッコいい……!
○25巻 cook.246 P77 田中、夢子を救出©うえやまとち/講談社
○25巻 cook.246 P85 ボヤに遭った夢子を自宅(汚部屋)に泊めてやる田中©うえやまとち/講談社
確かに一度命を救われたら、その後借金を申し込まれても、仕事で多少迷惑をかけられてもなんとか許せるものかもしれないな……と思わなくもない。逆に命を救われでもしなければ、荒岩に惚れていた夢子が田中を選ぶようなことがあったかどうか、ちょっと疑わしい。
鹿児島の女性はダメな男に寛容?
それにプラスして、夢子が田中を結婚相手として認めた理由として、夢子が鹿児島出身ということもあるのではないだろうか。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。