牧村朝子
フランスの芸術家が、ネットで作品無料公開に踏み切った理由
歴史的建造物が多く残り、その美しさから「バラ色の街」と称されるトゥールーズで、芸術家の作品が破壊されるという事件が起きました。作品に傷をつけられた時に芸術家がとった行動により、事件はより大きな事態へ発展していくようですが……。この一件、牧村さんの目にはどのように映ったのでしょうか。
はじめに、こちらの写真パネルをご覧いただきたい。
(※引用先リンク 2015年12月15日閲覧)
父親ふたりに子どもがひとり、子育てする同性カップルの家族写真。
これは、フランスの芸術家であるオリヴィエ・シアパが撮影したものだ。フランスの地方都市・トゥールーズで11月30日から屋外展示されていたが、12月4日の深夜に壊され、落書きされた(参考:Le Monde)。
(※引用先リンク 2015年12月15日閲覧)
男性ふたりに抱かれて眠る赤ちゃんの、その顔の部分が割られている。
黒スプレーで落書きされた文字は、こう読める。
「HONTE(恥)」
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この連載について
牧村朝子
性のことは、人生のこと。フランスでの国際同性結婚や、アメリカでのLGBTsコミュニティ取材などを経て、愛と性のことについて書き続ける文筆家の牧村朝子さんが、cakes読者のみなさんからの投稿に答えます。2014年から、200件を超える...もっと読む
著者プロフィール
タレント、文筆家。2010年、ミス日本ファイナリスト選出を機に芸能界デビュー。2012年渡仏、フランスやアメリカでの取材を重ねる。2017年独立、現在は日本を拠点とし、執筆・メディア出演・講演を続けている。夢は「幸せそうな女の子カップルに"レズビアンって何?"って言われること」。出演『ハートネットTV』(NHK総合)ほか、著書『百合のリアル』(星海社新書/2017年、小学館より増補版刊行)『ハッピーエンドに殺されない』(青弓社/2017年)ほか。愛称は「まきむぅ」。