2015年5月2日午前、私は徳島県から淡路島に向かう長距離バスに揺られていた。これから目指すのは、日本で唯一、医学的な指導を受けながらファスティング(断食)を実践できる公的施設だ。自らのぜい肉をこそぎ落とすだけではなく、その後にリバウンドしにくい体質をもつくり上げるという“最強のダイエット法”の秘密を探るべく、大型連休そっちのけでここまでひとりやって来た。
「お嫁に行くために痩せようと思っているのかねえ。若いお嬢さんもたくさん来ているよ」
島内に入り、地元タクシーの運転手さんに案内をしてもらいながら小高い丘を上ってゆくと、オレンジ色の屋根をした2階建ての小奇麗な建物が姿を現す。この「五色県民健康村 健康道場」こそ、年間800~1000人という入所者らが最大20日間にわたってファスティングをする真剣勝負の舞台だ(写真(1))。1週間のファスティングで体重の7%ほどの減量が期待できるという。