会議が伸びたことにぶちきれるオッサン
私は『凡人のための仕事プレイ事始め』(文藝春秋)という書籍を2010年に書いたが、同書では、いかに仕事というものが、くだらない建前とどうでもいいオッサン(上司・客)を出世させるために若者が貴重な時間を差し出しているか、ということを描いた。
こういったことに耐えられなくなったからオレは辞めたのだ、ということがこの仕事で明確になったのだ。何があったのか——当時の状況を再現しよう。今回のチームリーダーであるA氏や、我々スタッフの言動は下請けとしては、誠意を尽くしていたと思う。だが、某ショッピングセンターのオッサンがどう考えてもグータラタイプなのだ。会議は13:00~17:00という長丁場の予定となっていた。
何せ全店舗の懸念事項等を話し合わなくてはいけないため、これくらいの時間がかかることは分かっていたのだが、17:10になったところで、突然クライアントのオッサンが怒りだした。
その時話し合っていたことは、当日雨が降った場合にどのような対策をするかを検討しましょう! というものだった。こちら側のスタッフX氏がこう切り出した。
「○○店は、台風が近づいている関係もあり、当日の傘入れをどうするか、や、招待客の皆様の誘導・あとは濡れてしまった玄関をどうキレイにするか、など問題が生じると思われます。そこのオペレーションについて決めなくてはいけません……」
X氏はその地域担当だったため、彼にとっては切実な問題である。すると、ショッピングセンター側のオッサンがいきなり激怒した。
「お前ら、何をガタガタ言っとるんじゃ! 会議は17時で終わるはずやろ! そんな細かいことばかりネチネチ言ってて、アホか! ワシは17時までと聞いとったんや! 早よ飲みに行きたいんや! まったく、長い会議ばかりしよってからに! お前らはアホか!」
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