おいしいから、と勧められて、知らないビールを飲んだけれど、口に合わなかったことはありませんか。
ビールが大好きな私も、そういうことはよくありました。
今でこそ、ビアライターを名乗ってビールの記事を書いたりしていますが、最初はもちろんビールにくわしくなかったわけです。それでもビールが好きで、いろいろなビールを片っ端から飲んでいました。
片っ端からとは言っても、あまり知識がなかったものですから「有名なビールはひと通り飲んでおかないと」と思い、名が通ったビールから飲むわけです。しかし、有名で、歴史もあり、みんながおいしいと言っているはずのビールがおいしくない、ということがたまにありました。
正直に言うと、「こりゃ飲めん」くらいに思ったビールもあります。
みなさんも、こんな経験はありませんか?
・ ビールは「喉越し」と思ってゴクゴク飲んだが、アルコールが強く、すぐ酔ってしまった。
・ 軽い味わいのビールが飲みたかったのに、どっしりとした濃い味わいのビールだった。
・ 飲んでみたら恐ろしく苦いビールだった。
いろいろなビールを飲んでみたいと思った時に、多くの人が通る道だと思います。これは、ビールの味の幅が広すぎるゆえに起こることです。苦味、甘味だけでなく酸味の強いビールもあり、塩を使ったビールまであります。それくらい味の幅が広いと、ビールを選ぶときにミスマッチが起こり得るのです。
例えば、ゴクゴク飲みたい気分のときに、濃厚な黒いビールを選んでしまったら、それがいくらおいしい黒ビールであったとしても、最高の気分にはなりにくいと思います。1杯目にゴクゴク飲めるビールを選び、2杯目に黒ビール、と選べればおいしくビールが飲めるでしょう。
そのためには、ビールの味の種類である「スタイル」を知っておくと便利です。スタイルを少し知っているだけで、格段にビールのチョイスが楽しくなります。よく飲まれている大手のビールや発泡酒に比べて、クラフトビールや海外のビールは高いものが多いです。いつもよりも高いお金を出して飲むわけですから、飲みたいものをしっかり選べるようにしたいものです。
しかし、数年前はスタイルは80種類だったのですが、現在はどんどん細分化して新しいスタイルが生まれ、主なスタイルのサブカテゴリーも含めると、150種類にもなります。 これはビールが自由で味の幅が広いお酒だからでしょう。ハチミツやカボチャなど、今までにない副原料を入れておいしいビールができたら多くの醸造所がその真似をして、新たなスタイルが出来上がる、という状況です。今後もどんどん増えていくでしょうね。
そんな状況ですから、スタイルをいきなり覚えるのは得策ではありません。なので、これを覚えておけば、上記のような失敗はある程度回避できるだろうという分類をお教えしましょう。
覚えて損はない5つのスタイル
この5つのスタイルは、大まかな味の傾向で分けています。
・ ピルスナー
・ ペールエール/IPA
・ 白ビール(ヴァイツェン/ベルジャンホワイト)
・ 黒ビール(ポーター/スタウト)
・ フルーツビール
です。
5スタイルのイチオシ:左からピルスナー・ウルケル(ピルスナー)、シエラネバダ ペールエール(ペールエール)、ヴァイエンステファン ヘフヴァイス(白ビール)、ライオン・スタウト(黒ビール)、湘南ゴールド(フルーツビール)
ここから5スタイルのビールを3本ずつセレクトしていますが、その入手しやすさを3段階で分けました。
A:コンビニやスーパーで入手可能
B:高級スーパー、デパートに置いてあることも
C:インターネットやビールの品揃えがよい酒屋でないと入手は難しい
ゴクゴク飲みたいおなじみの「ピルスナー」
ゴクゴク飲みたいときは、コレです。ラベルにこの言葉が書いてあったら、「スーパードライ」「一番搾り」「黒ラベル」「ザ・プレミアム・モルツ」といった、お馴染みの味わいだと思ってください。