cakes代表の加藤です。こんにちは。
このサイトをオープンしたのは、いまから3年前の今日、2012年9月11日です。
これまで続けてこられたのは、読者のみなさん、クリエイターのみなさん、関わってくださったみなさんのおかげです。編集部のみんなも、開発チームもがんばってやっています。みなさん、本当にありがとうございます。
cakesは、ネット上でメディアビジネスを再発明するためのサイトです。そのために「課金」という方法にチャレンジして、売上の60%をクリエイターに還元する仕組みをつくりました。出版社といっしょに、cakesで連載してから単行本にするということもやっています。『統計学が最強の学問である』『ゼロ』『嫌われる勇気』など、ベストセラーもたくさん生まれました。
本や雑誌という、これまでのメディアビジネスの仕組みが日本で本格的に成立したのは、だいたい100年くらい前のことです。講談社、中央公論社、文藝春秋社などの出版社が生まれ、書店が各地にでき、流通の仕組みができて……というふうに発展してきました。同じころ、たくさんの作家が生まれました。
この一連の仕組みは、とてもよくできていました。なによりも、100年持つビジネスモデルってすごいことですよね。ネットに押されてるとはいえ、2015年の今だって、出版はまだまだ強い力をもっています。とはいえ、市場が縮んできて、それだけではつらくなってきているのも事実です。
出版が100年も続いた理由を、あえて乱暴に言うと、もうかったから、です。ビジネスとしてもうかるから、人があつまる。クリエイターは報われるし、出版社も、卸会社も、書店ももうかる。読者もうれしい。だからみんな続けていけて、新しい人がどんどん入ってきて、たくさんの作品が生まれたわけです。これはとても幸せな循環です。
ネット上にも、仕組みや形はちょっとちがうかもしれないけれど、似たような循環が必要です。人々が営みを続けていくためには、ビジネスであることがとても重要です。続けていけないと、おもしろいものがつくられなくなってしまう。そうすると、世界が退屈になってしまう。そうなったらいやなので、ぼくらはがんばっているのです。
2015年のいま、ウェブビジネスはたくさん花ひらいていますが、メディアビジネス、ということになると、いまはまだ、これから盛り上がる夜明け前の状態、いや、それよりもすこし後の早朝くらいの時間帯なのかなと思います。今回はcakesの3周年企画として、未来のメディアビジネスの形をつくろうとしているみなさんに取材のお願いをしました。具体的な取り組みをしているいろんな立場のみなさんにお話をうかがっていますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
と、前口上はこのくらいにして、みなさんのお話を見ていただければ幸いです。
cakes代表 加藤貞顕
まずは本日公開のこちらのインタビューをお楽しみください。
「テクノロジーがない伝統企業は行き詰まるだろうと考えていた」
NewsPicks佐々木紀彦【前編】
ちなみに、cakes1周年を記念して行ったインタビューはこちら。
待ちきれない方は、併せておたのしみください。