推敲の3つの見地
よく「料理は目と耳でも味わう」なんて言いますが、文章も同じ。われわれは書かれている内容だけを味わっているわけではありません。見た目のイメージや立ち現れるリズムを感じながら、脳で意味を捉えていくのです。
したがっていくら内容が好ましくても、視覚的に醜い文章、韻律のつたない文章は、最後まで読む気になれません。「完読」を目指すためには、意味は脳、字面は目、語呂は耳、と複数の感覚器を使って、立体的にブラッシュアップする必要があります。
1 意味=ミーニング=脳
まずは黙読しながら内容のチェックです。事実→ロジック→言葉づかいの順に積み上げていくのは前回紹介した通り。誤字脱字や事実誤認はないか、次いで主眼と骨子がかみ合っているかどうか、そして表現や文法が適切かを確認していきます。