岡田育 /深澤真紀
人類みな「変態」である——vol.6
深澤真紀さんが「草食男子」という考え方を提唱したとき、意外にもサブカル業界の男性たちが「草食男子」批判を始めたそう。岡田さんが「文化系オラオラ男子」と呼ぶそのような男性たちは、なぜ発生し、どのように女性と接しているのでしょうか?
ゲイビデオにハマれない腐女子、痴漢ものに興奮するレズビアン
岡田育(以下、岡田) リアルとファンタジーの境界線をどうとらえるべきか、というのも腐女子文化を考える上での重要なテーマですよね。前回「ゲイビデオ、超キモーイ!」と嗤っていたホモフォビア腐女子にドン引きした話をしましたが、私、その後、気になって自分でもゲイビデオを見てみたんですよ。それで、全然良いと思えなかった自分に悩んだり……。
深澤真紀(以下、深澤) 悩んじゃったの?
岡田 「男性同士の生の絡みがおいしく思えないのは、自分にも同性愛に対する差別意識があるからじゃないか?」とか思ったんでしょうね。「私は彼女とは違う、楽しめるはずだ」みたいな。でもよく考えたら、腐女子であると同時に私はヘテロセクシュアルなんだから、ホモセクシュアルの人たちが楽しむためのビデオのツボがわからなくてつまんないのは当たり前だろ、ゲイの人たちが男女もののポルノを観て何とも思わない(か男優しか見ていない)のと同じだよ、って感じですけど(笑)。
深澤 レズビアンの友人が、いわゆるオカズとして「痴漢もの」が好きだったんです。でもレズビアンの中には、男性から痴漢されて傷ついた経験を持つ人がけっこう多い。それなのに、ファンタジーとはいえ痴漢ものが好きな自分は誰かを傷つける存在になるのではないかと悩んでいたことがあります。
岡田 うーん、自分が実際にその立場だったら、と考えると難しいですね。
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この連載について
岡田育 /深澤真紀
「草食男子」「肉食女子」という言葉を生み出したコラムニスト・深澤真紀さんと、cakesの「ハジの多い腐女子会」や「ハジの多い人生」でもおなじみ、編集者・文筆家の岡田育さん。共通点が多いのに、じっくり話したことがないというおふたりが、「...もっと読む
著者プロフィール
コラムニスト、企画会社タクト・プランニング代表取締役社長、淑徳大学人文学部客員教授。1967年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、いくつかの会社で編集者をつとめ、会社を設立。「草食男子」を名付けて2009年流行語大賞トップテンを受賞。主な著書に、『草食男子世代――平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)、『女はオキテでできている――平成女図鑑』、『結婚問題』(共に春秋社)、『「そこそこ ほどほど」の生き方』、『考えすぎない生き方』(共に中経の文庫)、『働くオンナの処世術――輝かない、がんばらない、話を聞かない』(日経WOMAN選書)、『ニュースの裏を読む技術――「もっともらしいこと」ほど疑いなさい 』(PHPビジネス新書)、『ダメをみがく』(津村記久子との対談集、紀伊国屋書店)、『女オンチ。 女なのに女の掟がわからない』 (祥伝社黄金文庫)などがある。
Twitter:@fukasawamaki