ゲイビデオにハマれない腐女子、痴漢ものに興奮するレズビアン
岡田育(以下、岡田) リアルとファンタジーの境界線をどうとらえるべきか、というのも腐女子文化を考える上での重要なテーマですよね。前回「ゲイビデオ、超キモーイ!」と嗤っていたホモフォビア腐女子にドン引きした話をしましたが、私、その後、気になって自分でもゲイビデオを見てみたんですよ。それで、全然良いと思えなかった自分に悩んだり……。
深澤真紀(以下、深澤) 悩んじゃったの?
岡田 「男性同士の生の絡みがおいしく思えないのは、自分にも同性愛に対する差別意識があるからじゃないか?」とか思ったんでしょうね。「私は彼女とは違う、楽しめるはずだ」みたいな。でもよく考えたら、腐女子であると同時に私はヘテロセクシュアルなんだから、ホモセクシュアルの人たちが楽しむためのビデオのツボがわからなくてつまんないのは当たり前だろ、ゲイの人たちが男女もののポルノを観て何とも思わない(か男優しか見ていない)のと同じだよ、って感じですけど(笑)。
深澤 レズビアンの友人が、いわゆるオカズとして「痴漢もの」が好きだったんです。でもレズビアンの中には、男性から痴漢されて傷ついた経験を持つ人がけっこう多い。それなのに、ファンタジーとはいえ痴漢ものが好きな自分は誰かを傷つける存在になるのではないかと悩んでいたことがあります。
岡田 うーん、自分が実際にその立場だったら、と考えると難しいですね。