問題はそれが起きたのと、同じレベルで解決することはない
「あなたと話をしていると驚かされるばかりです」
「そうかい?」
「今までなにげに見ていたニュースや出来事を、多角的に捉えて、深く考察していて……」
「私は、ただたくさんのものを見て、体験してきただけだ。その中で、人生で最も大事なことは、“意識の焦点”だと信じている。私は、いつも異なった次元からモノを見ることを心がけている」
「意識の焦点……」
「意識の焦点を、3次元、つまり時間や空間、お金(数字)に置くのなら、君はお金という次元を超えることができない。つまり、パラダイムを変えることはきっとできない。結果、問題は解決しない。アインシュタインの名文句にこんな言葉がある『問題はそれが起きたのと、同じレベルで解決することはない』。問題解決は、一次元上での調和によってしか解決できないんだ。だから君は、いずれ3次元(時空間・金)から、意識の焦点をずらさなければならなくなるだろう。それだけは覚えておく必要がある」
「わかったような……わからないような……」
「ははは。いずれわかるようになる」
「じゃあ、もう1つ質問を」
「どうぞ」
「あなたの言葉には時折、宗教的とも聞こえる話が出てきますよね。目には見えないものをなぜそんなに確信を持って話されるのでしょうか?」
「君は、宗教(哲学)の話に抵抗があるかな?」
「宗教の自由は尊重します。差別もありません。ただ、自分の中ではリアルではないですね」
「まず私は、熱心な宗教家ではない。自分の体験・直観と、アカデミズムの成果である知識と、宗教が担ってきた知恵の蓄積から話をしている」
「はい」
「君達は、自分が存在していると思っているが本当は存在していない、ただ漂っているだけだ、と言われたら、どう思うかね?」
「僕はちゃんとここにいます!と思いますが……」
「だね。君達は3次元に住んでいることを疑っていない。つまり時間と空間をいつも意識している。そしてお金はこの時空間を自由に飛び回るための道具だと定義している。そしてそれは本当に実在し、誰にとっても変わらないと思っている」
「はい。疑いません」
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